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 公認会計士・税理士
  野海 英
(ノウミ スグル)

○私の使命は独立・開業を失敗させず、会社を上場させることです。
○貴方の起業及び創業を全力でサポートします。

島根県江津市生まれ。
高校卒業まで島根、卒業後は東京で過ごす。
一般企業、監査法人及び税理士事務所に勤務し幅広い実務経験を積む。
2006年会計事務所を立ち上げる。
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ベンチャーコンサルティング
会計事務所
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場1-5-21
グランメール高田馬場704
東京税理士会新宿支部所属
TEL :03-6327-4643
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経営者(社長)の為の税金Q&A




社長の役員報酬・役員退職金
会社と社長の不動産の賃貸借に関する税金
社長と会社間の不動産の譲渡
社長と会社の保証債務等
社長と生命保険




【1】社長の役員報酬・役員退職金

1,社長(役員)の報酬は会社の経費、賞与は
  経費にならない、その区分けは?


Q. 役員報酬は会社の必要経費になるのに対して、役員賞与は必要経費にならないとの話を聞きましたが、役員への給与が報酬になるのか賞与になるのかの判断はどのようにすればよいのでしょうか。

A. 定期の給与か臨時的な給与かが、ご質問の報酬になるのか賞与になるかの判断基準になります。


[解説]

役員報酬となるもの/定期の給与
(1)日給、週給、月給のようにあらかじめ定められた支給基準(習慣に
   よるものを含む)に基づいて、月以下の期間を単位として規則的に
   反復または継続して支給される給与。
(2)非常勤役員に対して年俸、半年俸を年1回または2回所定の時期に
   支給されるような場合でも、他に、定期の給与を受けていないもの
   に対し、継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づ
   いて支給される給与。

役員賞与となるもの/臨時の給与
(1)役員報酬に該当しない臨時の給与。
(2)毎月支給される役員報酬であっても売上に応じて増減するようなも
   のは、売上に関係なく支給される固定的な額だけが定期の給与で、
   これを超える部分の金額は臨時の給与。

役員賞与が経費にならない理由
 役員報酬は、会社が役員に対してその受任者としての職務遂行の対価として支払うものです。つまり、会社の事業遂行のための必要経費であり、会社は利益の有無に関係なく支払うものですので、税法上、原則として必要経費(損金)になります。
 一方、役員賞与は法律上支給が義務付けられておらず、利益処分としての性格を持つため税法上、必要経費(損金)とならないわけです。


2,過大な役員報酬は会社の経費にならない?

Q. 私は同族会社の社長ですが過大な役員報酬は会社の必要経費にならないと聞きました。これは本当でしょうか。
 また、そうだとしたらなぜ必要経費にならないのでしょうか。教えてください。

A. 過大な役員報酬は、会社の所得を計算する上で必要経費(損金)になりません。つまり、その分、会社の所得は多くなり、法人税も高くなります。なお、過大な役員報酬が必要経費(損金)にならない理由は、次のとおりです。


[解説]

必要経費(損金)にならない理由
 役員報酬は、会社から役員に対してその受任者としての職務遂行の対価として支払うものですから会社の事業遂行のために必要なものであり、原則として必要経費(損金)に入ります。  
 しかし、過大な部分は、利益の分配的なものと考えられますので、役員賞与と同様に必要経費(損金)にはなりません。

役員報酬の考え方
(1)役員の報酬を、役員が決めることとなると、その額はお手盛りとな
   り、会社の利益が害される可能性があるため、商法上は役員報酬を
   定款の規定または株主総会の決議としています。
(2)実務的にみると、役員報酬について取締役会での決議がそのまま株
   主総会で決議されることが多いと思います。
(3)ここで、同族会社の場合、役員がそのまま株主ということもよくあ
   る話ですので、実際には報酬額を自由にアップして利益の分配と同
   様な過大な報酬を受けることができるとも考えられます。
   そこで、商法で本来予定している委任者の意思が反映している(
   会社と取締役は委任関係)会社との課税の公平を考え、役員報酬へ
   のシフトを防止するため過大な役員報酬は必要経費(損金)の額に
   参入できないように規定がされているといえます。


3,社長の報酬が課題かどうかの判定はどうする?

Q. 私は会社の代表ですが、過大な焼く金報酬は、会社の所得を計算するときに、経費にならないと聞きました。
役員報酬が過大かどうかの判断はどのように行うのですか。

A. 役員報酬が過大かどうかの判断には、次の2つの基準があります。


[解説]

過大役員報酬の判断基準
(1)実質基準
   その役員の職務の内容、その会社の収益及びその使用人に対する給
   与の支払い状況、その会社と同業の事業を営み事業規模が類似する
   会社の役員報酬の支給状況等と比較して、その役員の職務に対する
   対価として相当と認められる金額。
(2)形式基準
   定款または株主総会等の決議によって報酬として支給できる限度額
   を定めている場合には、その金額。

実質基準と形式基準との関係
(1) 実質基準額<(2)形式基準額→(1)実質基準額採用
(1) 実質基準額>(2)形式基準額→(2)形式基準額採用

 ここで、(2)の形式基準による過大報酬の判定については、実務上の問題も少ないと考えられますが、(1)の実質基準については、判断を迷うところだと思います。
 具体的には、同業種で同規模の会社の平均的な役員報酬を参考とすることになりますが、必ずしも役員報酬を算定しようと思っている会社に直接合うようなデータが集められるとは限りませんので、下記のような項目の比率で調整することも可能かと思います。

<役員報酬の決定要因>
[1] 売上金額(貴方の会社と比較会社平均との比率)
[2] 売上総利益(同上)
[3] 個人換算所得金額(同上)
[4] 使用人給与の最高額(同上)


4,社長が賞与の受領を辞退した場合でも課税
  されるのか?


Q. 私は、会社の社長をしていますが、会社から未払の賞与について、会社が支払い不能の状態のためその受領を辞退しようと考えています。
その場合、会社の所得の計算上、賞与分を会社に贈与したということで利益としなければなりませんか。
また、受領を辞退した場合の私の所得税はどうなりますか。
 
A. 会社について次のような事実があった場合、これに伴ってその役員であった者から資産の贈与または債権についての債務免除があったときは、会社の所得の計算上、利益としなくてもよりことになっています。


[解説]

資産の贈与等をしても課税にならない場合
(1) 商法の規定による整理開始命令があったこと。
(2) 破産法の規定による破産申告があったこと。
(3) (1)から(3)による整理回収命令があったこと。
(4) (1)から(4)以外で、法人が必要経費(損金)の額に算入さ
   れない未払賞与の全部または大部分を取締役会の決議に基づいて支
   払わないこととした場合で、これが会社の整理、事業の再建及び業
   績の不振のためのものであり、かつ支払わない金額について一定の
   基準があるとき。

役員賞与の受領を辞退した者の所得税
(1)役員賞与が確定してから1年以内の場合
  [1] 一般には給与等源泉徴収の対象となるものの支払者(会社)が未
     払いのものについて支払債務を免除されたときにその支払があっ
     たものとして源泉徴収を行うこととなっています。
     つまり、給与等の支払をした後に、源泉徴収済みの手取り額につ
     いて、改めて会社が贈与を受けたと考えます。
  [2] 資産の贈与等をしても課税にならない場合の(1)から(5)に
     該当する場合で、役員賞与についてその支払が確定した日から一
    年を経過する日までに受領を辞退したときには、まだ、所得税が
    源泉徴収されていませんから、会社としては支払額全額が債務免
    除益(利益には計上されない)となり、役員の所得税についても
    賞与がなかったものとされます。
(2)役員賞与が確定してから1年超の場合
   役員賞与については支払の確定した日から1年を経過した日までに
   その支払がなされない場合は、1年を経過した日にその支払があっ
   たものとみなして所得税が源泉徴収されるので、受領を辞退したと
   きに既に所得税済みということがあります。
   このようなときでも、資産の贈与等しても課税にはならない場合の
   (1)から(5)に該当する場合は、受領を辞退した役員について
   の更正の請求(所得税の還付請求)ができることになります。

 
5,特定の月だけ増額した役員報酬は?

Q. 特定の月だけ役員報酬を増額すると、それは役員賞与とされ、会社の必要経費にならなくなってしまうのでしょうか。

A. 特定の月だけ増額する役員報酬は、その増額部分(各月の支給額を超える部分)が臨時的な給与とされ役員賞与となります。
役員賞与と判断されると会社の所得の計算上、必要経費(損金)に計上できませんのでその分、法人税もアップします。


[解説]

特定月の増額報酬が賞与となる理由
(1)原則
   役員の職務執行の対価である役員報酬は本来包括的なもので、従業
   員に対する給与のように奨励給とか歩合給を区分けして認識するも
   のではなく、そのため、役員報酬は、通常年に1回程度行われる報
   酬の改定を除いて毎月定額であるべきで、月によって増額するよう
   な場合は、その増額部分は役員賞与となります。
(2)役員賞与が売上にスライドするような場合
   毎月の役員報酬の額が、毎月の売上にスライドするように定められ
   ている場合には、この役員報酬として支給される給与額の内、売上
   高の額に関係なく固定されている支給額を越える部分の金額は、役
   員報酬に該当せず役員賞与となります。
(3)役員に歩合給、能率給等を支払う場合
   役員に対しても固定給のほかに歩合給や能率給を支給する場合、こ
   れらの支給が従業員に対する支給基準と同一の基準によっていると
   きは、歩合給や能率給を定期の給与とし、賞与としないこととされ
   ています。
   つまり、それらを職務遂行の対価と認め、利益の分配とはみないこ
   とになります。


6,社長の親族を役員とした場合に、役員報酬は
  どの程度認められる?


Q. 私は同族会社のオーナー社長ですが、今回、妻が監査役に就任することになりました。また、妻は会社の経理の仕事を一部手伝うことになりますが、月間の出勤日数は1週間程度となります。このような場合、妻の役員報酬はどの程度なら問題にならないのでしょうか。

A. 役員報酬が過大なものとなるかどうかの具体的な判断は、形式基準と実質基準があります。
 ここで実質基準においては、役員ごとにその役員の職務内容(社長、専務、常務、平取締役、監査役)、職務に従事している程度(常勤、非常勤)、職務年数、その会社の収益、業種、規模、所在地、他の役員との報酬のバランス、従業員に対する給与の支給状況、その会社と同種事業で事業規模が類似する会社の役員報酬の支給状況等を総合的に検討して過大かどうかの判断をすることになります。
 ご質問の場合も、上記の基準に基づいて役員報酬を決めることになるかと思いますが、少なくとも社内の同程度の業務を行う他の役員や従業員と比較して高額と認められる場合は、過大役員報酬となり課題部分は会社の必要経費(損金)に計上できないでしょう。 
 尚、学生等で実際に職務と行っていない社長の子供等を非常勤役員とした場合の役員報酬は、単なる所得分散と考えられるため、社長に対する役員報酬と判断されますので注意が必要です。



7,社長が長期に入院した場合でも役員報酬は
  そのままで問題ない?

Q. 当社は同族会社ですが、社長が病気療養のため半年ほど入院することになりました。現在、社長の報酬は月300万円ですが、この報酬額を変更しなくても特に税務上の問題はないでしょうか。

A. 従来の社長の報酬が、適正なものである限り、入院したことをもって過大報酬とされることはありません。
 そのため、支払われた報酬は会社の所得の計算上、必要経費(損金)に計上されます。
 尚、入院期間が更に長期に及ぶような場合や社長から非常勤役員になるような場合は、その時点で役員報酬の額を算定し直す必要があるでしょう。


8,社長の長男(従業員)に高額の給与を支給
  してもいい?


Q. 私の会社は同族会社ですが、長男が従業員として勤務しています。年齢的にまだ若いこともあって、役員にはなっていません。
 この長男に、役員並みの給与を支払った場合、課税はどうなるのでしょうか。

A. 会社が支払う役員報酬のうち過大なものは、会社の所得の計算上、必要経費(損金)にはなりません。一方、役員でない従業員の場合は基本的に支払われた給与は必要経費(損金)になります。
 しかし、「特殊関係使用人」に該当すると、給与、賞与または退職給与のうち不相当に高額なものは、必要経費(損金)に計上できません。


[解説]

特殊関係使用人の範囲
 [1] 役員の親族(配偶者、6親等内の血族及び3親等内の姻族)
 [2] 役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者(内縁の妻等)
 [3] [1]及び[2]以外の者で役員から生計の支援を受けているもの(役員
    の愛人等)
 [4] [2]及び[3]に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族
  
 あなたのご長男は、役員(貴方:社長)の親族であり、「特殊関係使用人」に該当しますから、ご長男に対する給与、賞与または退職金のうち過大なものは、必要経費(損金)に計上されないことに注意する必要があります。


9,社長が無利息で会社から金銭を借りた場合
  の課税は?


Q. 私は会社の社長をしておりますが、今回、不動産を購入するに際して、会社から資金を借りたいと考えています。利息についてはできれば無利息でと思っていますが、このような場合、何か課税がされるのでしょうか。

A. 社長が会社から金銭を無償(無利息)または通常の利率より低い利率で借り入れた場合は、通常の利率により計算した利息の額と実際に支払った利息の額との差額は、社長に供与した利益(社長に対する給与)となり課税されます。
 ここで、通常の利息は、次のようになります。

[解説]

通常の利息の計算

(1)金銭を会社が他から借り入れて貸し付けたものであることが明らか
   な場合は、その借入金の利率によります。つまり、社長に対する貸
   付金とひも付きの借入金の利率によります。
(2)その他の場合は、貸付を行う前年11月30日の公定歩合に4%を
   加算した利率によります。利率に0.1%未満の端数があるときは、
   これを切り捨てます。
    尚、法人の1事業年度における額が、5,000円以下のものは、小
   額として給与として課税はされないことになっています。


10,社長が会社から無利息で貸付を受けた場合も
  課税?

Q. 私には、自分が代表者をしている会社がありますが、資金繰りの都合から、会社に、運転資金を貸し付けたいと考えています。その際、会社の負担も大変なので無利息としたいと思っていますが、この場合、課税関係が生じるのでしょうか。

A. 社長は実際に利息を受け取っていないのですから利息を認定されて所得税を課税されることもありませんし、会社については、社長からその利息相当額の免除を受けた利益を認定されても支払利息(経費)と相殺され、損益に影響はなく課税になりません。


[解説]

社長も会社も課税されない理由
(1)個人と会社の性格の違い
   会社は利潤の追求を目的とする営利法人ですから、その取引全般に
   ついて常に経済性、合理性が追求されますが、個人(社長)は必ず
   しもそうではないという違いがあります。
    そのためご質問とは反対に、会社が社長に無利息で金銭を貸した
   場合には、営利を目的とする会社としての本質に反する行為ですか
   ら、通常の利息を受け取るべきで、受け取らないときであっても、
   利息を受け取った後にその経済的な利益を支給(給与)したものと
   され、一方、経済的利益をうける社長には所得税(給与所得)がか
   かります。
(2)ご質問のケース
   社長が会社に無利息で金銭を貸し付けたときは、(1)の理由から
   当然に利息を受け取るべきということにはなりません。
    一方、社長から無利息で借りる会社の側からみてみれば、無利子
   の方が利潤追求の目的には合っています。
    したがって、社長は実際に利息を受け取っていませんので所得税
   は課税されませんし、会社については、支払利息相当の利益を認定
   されてもその支払利息(経費)と相殺され、利益は発生せず課税に
   ならないわけです。

会社が利息を支払う場合の注意点
(1)会社の役員に対して、現実に利息を支払うときは、その利息の額が
   適正である限り、会社の費用になります。
(2)この場合、商法上、自己取引になりますから借入額、利率、利息の
   支払い方法、元本の返済方法等について取締役会の承認を得た上で
   会社と社長間で金銭消費貸借契約書を作成しておくべきでしょう。
(3)社長は受け取った利息を雑所得として所得税の申告が必要になりま
   す。


11,社長からの借入金について会社が支払う
  適正な利息とは?


Q. 会社が社長に借入金の利息を支払う場合、どの程度の利息が適正なのでしょうか。

A. 社長が会社に貸付をして場合の利率の基準は、次のようになると考えられます。


[解説]

社長が会社に貸し付けた場合の利息の基準
(1)社長が金銭を他から借り入れて貸し付けたものであることが明らか
   な場合は、その借入金の利率によります。
(2)その他の場合(社長の余裕資金を貸す場合等)は、貸付を行う前年
   11月30日の公定歩合に4%を加算した利率によります。
    尚、社長が高利で会社に貸し付けた場合は、適正利息部分は雑所
   得になります。
   また、適正利息部分を越える部分は社長に対する給与になります。
   ここで、適正利息が定期のものか臨時的なものかによって、役員報
   酬(会社では必要経費)になるか役員賞与(会社では必要経費にな
   らない)になるかの区分をすることになります。


 
 12,会社の借入に社長が個人保証した場合、
  保証料は受け取ってもいい?

Q. 私はある会社の社長をしておりますが、会社が銀行借入れをするときに、私が個人補償や担保提供をしなければならないことがあります。
 この場合、この保証に対して保証料を会社から受領することができますか。また、できる場合、かいしゃの必要経費にはなるでしょうか。

A. 社長は保証料を受け取ることができます。この場合、基本的に雑所得となり、所得税の確定申告が必要になります。
 また、会社が負担した保証料は、会社の法人税の計算上、必要経費(損金)になります。


[解説]

社長の課税
 社長の受け取る保証料は、適正な額については雑所得となります。しかし、高額と考えられる部分は給与所得(役員報酬または役員賞与)となります。
 ここで、保証料が定期のものか臨時的なものかによって、役員報酬(会社では必要経費)になるか役員賞与(会社では必要経費にならない)になるかの区分をすることになります。

会社の保証料の取扱い
 社長が個人保証または担保提供を行って銀行から会社が融資を受ける場合、会社が社長に支払う保証料等の額が融資の内容及び保証の範囲から見て適正な金額であれば、会社の所得の計算上、必要経費(損金)にすることが認められます。
 つまり、社長が保証等をしない場合、会社としては信用保証機関、他の金融機関、取引先等に保証を依頼しなければならず、その場合の保証料が必要経費(損金)になるわけですからそれと同様に考えてよいでしょう。
 なお、保証料の金額については、第三者(信用保証機関等)が保証した場合の保証料が目安と考えられますので、それらの保証料と比較し、高額な部分は役員報酬(臨時的なものであれば役員賞与)となります。



13,会社役員賠償責任保険の保険料を会社が
  負担しても問題ない?


Q. 最近では、株主代表訴訟が多くなってきているようですが、私の会社でも、会社役員賠償責任保険に加入しようと考えています。
 その保険料を会社が負担した場合、税務上何か問題が生ずるでしょうか。

A. 現在では、商法の改正で株主代表訴訟についての手数料が大幅に引き下げられ、また株主が勝訴した場合に訴訟にかかった費用を会社に請求できるようになったこと等によって訴訟がしやすくなり、取締役が経営上の過失等によって損害賠償請求を受ける事例が増えています。
 これに対応するため、会社役員賠償責任保険に加入するケースが増加していますが、その保険料を会社が負担することについて、課税上の取扱いは、次の通りです。


[解説]

保険料を会社が負担した場合の取扱い
(1) 基本契約(普通保険約款部分)
  [1] 第三者から役員に対して損害賠償請求がなされ、役員が損害賠償
     責任を負担しなければならない場合に、保険金が支払われる契約
     部分の保険料は、会社が負担した場合であっても役員に対する給
     与にはなりません。
  [2] 株主代表訴訟で、役員が勝訴した場合の訴訟費用を負担する部分
     の保険料は会社が負担しても役員に対する給与になりません。
      これは、役員が勝訴した場合の訴訟費用は、適正な業務を行っ
     ている役員のリスクをカバーし、言いがかり的または嫌がらせ的
     訴訟から役員を保護するためのものと考えられるからです。
(2)株主代表訴訟担保特約
   株主代表訴訟で、役員が敗訴した場合の損害賠償金及び訴訟費用を
   担保するものでこの部分の保険料会社が負担するのは、[1]会社と
   役員の利益相反性、[2]違法行為の抑制効果の減殺、[3]役員に対す
   る無償利益の供与等の観点から商法上の問題が指摘されています。
    そのため、会社が保険契約者として保険料を負担したときは、役
   員に対する経済的利益を与えたことになり給与として所得税が課税
   されます。



14,スポーツクラブ等の会員権と社長名義で購入
  したら社長への賞与?


Q. 当社は、従業員の福利厚生の一環としてスポーツクラブの会員権を購入することとしましたが、購入予定のスポーツクラブには法人会員制度がないため、社長名で入会し、会員権は会社資産として計上しようかと思いますが、社長に対する賞与となったりしないでしょうか。

A. 会社が従業員の福利厚生用または取引先の接待用として利用するため、スポーツクラブ等の会員権を購入し会社資産として計上する場合には、基本的には、会社名義で入会することが必要です。
 しかし、法人会員制度がない場合には代表者等の個人名義で入会した場合でも、会社の事業のために利用している場合には、会社の資産とされます。


[解説]

会員権の取得時の処理
(1)原則
   スポーツクラブ、レジャークラブ等の入会に際して社長等の個人会
   員として入会した場合は、その入会金は社長等に対する賞与になり
   ます。
(2)法人会員制度がない場合
   入会するスポーツクラブ等に法人会員制度がなく個人会員として入
   会したとしても、会社が従業員の福利厚生用や取引先の接待用とし
   てその会社の業務遂行上必要ということであれば、合理的な理由が
   ありますので、その会員権を会社の資産として計上できます。

会員権の会費の処理
 資産に計上した会員権の会費はその利用目的によって福利厚生費または交際費等になります。
 貴社の場合は、従業員の福利厚生用として利用するとのことですので福利厚生費となります。



15,過大な役員退職金は会社の必要経費にならな
  い?


Q. わたしは同族会社の代表取締役ですが、そろそろ後継者に会社を任せようと考えています。
 ところで、私が退職する際に受け取る退職金ですが、過大であると判断されると会社の必要経費にならないと聞きましたがそうなのでしょうか。また、そうだとしたら過大とされない適正な金額の決め方を教えてください。

A. 役員に支給した退職金のうち、その役員が会社の業務に従事した期間、退職の事情、その会社と同種の事業を営み事業規模が類似する会社の役員退職金の支給状況として、過大な部分の金額は、必要経費(損金)になりません。そのため、その分に対応する法人税が増加してしまいます。


[解説]

役員退職金が過大かどうかの判断

(1)法人の業務に従事した期間
   役員の役位(役員のポスト)によって職務内容、責任の程度が違い
   ますので、使用人の場合のように単純に期間の長短だけで決定する
   のではなく、役位によって業務従事期間に異なったウェイトを乗じ
   て計算するのが一般的です。
(2)退職の事情
   退職の事情には定年、死亡、任期満了、自己都合による辞任等が考
   えられます。
(3)同業種、類似規模会社の支給状況
   同業種、類似規模会社(類似会社)との対比は支給額ではなく、支
   給率によって行います。判例等でも功績倍率が重視されています。
(4)その他の事情
   会社の収益状況、使用人に対する退職金の支給状況等です。

具体的な計算方法
 実際に適正な役員退職金を計算するには、次の算式に基づいて計算するのが一般的です。

適正な役員
退職金の額
最終の適正な
役員報酬月額
×
在任年数
×
適正な
功績倍率

功績倍率
退職金支給額
×
在任年数
最終の適正な役員報酬月額

 算式の中で、ポイントとなるのは適正な功績倍率の算定です。しかし、業種、規模、退職役員の役職ごとの平均的な功績倍率は、公表されていないので各社が裁判例や市販の出版物の統計等を参考にしながら算定することになります。
 なお、一般的には3倍程度を目安にしているところが多いようです。



16,役員退職金の規定はどのように決める?

Q. 役員退職金の規定の定め方を具体的に教えてください。

A. 役員退職金の規定を作成する場合、税務上、過大な退職金にならないかどうかに注意しながら決定する必要があります。
  次に、役員退職金の規定の例を揚げます。


[解説]

役員退職金規定の例
(1)役員退職金は退任時の最終役員報酬月額に支給倍率を乗じた額を基
   準とする。
(2)(1)の支給倍率とはその役員の下表の各役員での職年数(1ヵ年
   を単位とし、端数は月割とする)に、それぞれの係数を乗じて得た
   数の合計額をいう。

役 位
係 数
役 位
係 数
会長、社長
3.5
取締役(常勤)
2
副社長
3
取締役(非常勤)
0.5
専務取締役
3
取締役(常勤)
2
常務取締役
2.5
取締役(非常勤)
0.5


役員退職金の計算例
(1)最終の適正な役員報酬月額・・・200万円
(2)役員に在任した期間・・・取締役8年、常務6年、専務5年、
               社長6年 計25年
(3)支給倍率
   8×2+6×2.5+5×3+6×3.5=67
    (取締役) (常務)  (専務)  (社長)

(4)退職金の額
   200万円  × 67 =13,400万円
(最終の適正な役員報酬月額)(支給倍率)



17, 役員退職金規定があれば高額な退職金でも 
   認められる?


Q. 役員退職金の支給規定を作成するに当たり、税務上の過大退職金と判断されると困るので、当初より高めの支給規定にしたいと思っていますが、それでもよいでしょうか。

A. 税務上、過大な役員退職金規定の適用に当たっては、役員に支給した退職金の額が会社の定めた役員退職金支給規定の限度額内にあり、実際に支給した役員退職金の額が必要経費に計上(損金)されていても、実質的にみて過大な部分の金額は、会社の法人税の計算上、必要経費(損金)の額に計上できないこととなっています。
 役員退職金の支給規定を定める場合にも、このことを考慮する必要があります。


  
18, 退職時に支払えなかった退職金を今、支払
   ってもいい?


Q. 私は自己の主催する会社を3年前に退職しましたが、その当時は、会社の業績も悪く、退職金をもらいませんでした。最近になって、会社の業績も上向き、当時支払われなかった退職金を支払うという話が、会社内で出ているのですが、課税上は問題はないでしょうか。

A. 退職金を支給することは原則として認められません。
 役員退職後、数年経過してから退職金の支給決議が行われるという場合には、利益操作を意図したものと判断されやすく、会社の法人税の計算上、必要経費(損金)に計上できないものと考えられます。


[解説]

退職金を遡って支給した場合の課税
 一般的に役員の退任の承認と退任役員に対する退職金の支給決議は、同一株主総会で決議されるのが通常です。
 貴方の場合、社長を退任したときに退職金の支給について株主総会等で決議せず、また、3年後に会社の業績がよくなったことを理由に、退職金を支給することになると、利益操作と判断される可能性が高く、そうすると退職金ではなく、一種の利益処分と考えられ、会社の法人税の計算上も必要経費(損金)に計上できないものと考えられます。



19,社長の退職金を分割払いにした場合、支払
  のつど会社の経費にしてもいい?


Q. 社長が退職するに当たり、役員退職金規定に基づいて株主総会で5,400万円の支給決議をしました。しかし、資金繰りの都合で、毎月150万円の3年間の分割払いとすることにしました。
 会社の経理において、分割払いした事業年度の必要経費(損金)に計上し、その支払のつど、所得税の源泉徴収も行いたいと考えていますが、問題があるでしょうか。

A. 社長の退職金が資金繰り等の理由から分割払いになった場合でも、基本的には株主総会で決議された日を含む事業年度の必要経費(損金)の額に計上しますが、そうせずに分割払いした各事業年度の必要経費(損金)に計上することも認められます。
 また、所得税については、その支払のつど、源泉徴収しても問題ありません。


[解説]

源泉徴収する所得税
(1)原則・・・・・一括払い時
   一括して源泉徴収
(2)例外・・・・・分割払いした時
   源泉徴収される所得税は、具体的に確定している支払総額に対する
   所得税額をいったん計算し、その所得税額を実際の退職金の支払額
   に応じて按分し、源泉徴収することになっています。



20, 社長を退任して顧問になっても報酬が2分の
   1以下にならない場合、退職金を支払うと
   問題がある?

Q. 私は会社の社長をしておりますが、この度その職を退き会社の非常勤顧問となります。報酬については、社長時に比べればかなり減額になりますが、2分の1以下にはなりません。聞くところによりますと、報酬が2分の1以下にならないと税務上、退職金とは認められず、会社でも必要経費に計上できないとのことですが本当でしょうか。

A. 役員の分掌変更等によりその役員としての地位または職務内容が激変し、実際に退職していなくても、実質的に退職と同様の事情にあると認められる場合には、その分掌変更等に際し、退職金として現実に支給された金額は税法上も退職金と認められます。
 この場合の実質的に「退職と同様の事情にある」と判断されるケースとしては、次のような場合です。


[解説]

退職と同様の事情にあると判断されるケース
 [1] 常勤役員が非常勤になった場合
 [2] 取締役が監査役になった場合
 [3] 分掌変更後における報酬の額が従前のおおむね2分の1以下に激減
    した場合ただし、上記[1]から[3]のいずれについても、分掌変更等
   のあった役員がその後も引き続き経営上の主要な地位を占めると認
   められる場合には、実質的な退職としては取り扱われません。
    ご質問の場合、社長が非常勤顧問になるとのことですので上記
   [1]に該当します([3]の条件を同時に満たす必要はありません)。し
   たがって、報酬の額が従前の2分の1に激減しなくとも、退職金の
   支給は税務上認められます。
    ただし、社長がその後も引き続き経営上の主要な地位を占めると
   認められる場合には、実質的な退職としては取り扱われず、税務上
   退職金は認められないことになります。



   
 21, 死亡した社長の社葬費用は会社の経費?

Q. 社長が死亡したため、会社の創始者であることも考慮し、社葬を行うこととしました。
 この場合の社葬費用は、会社の必要経費として計上できるのでしょうか。それとも、社長の遺族に対する贈与等になるのでしょうか。

A. 会社が、役員または従業員が死亡したため社葬の費用を負担した場合、必要経費になる条件は次の通りです。


[解説]

社葬費用が会社の必要経費になる条件
(1)故人の経歴やその地位、死亡の事情、生前の功績等からみて、社会
   通念上社葬を行うことが相当と認められること。
(2)その負担した金額のうち社葬の為に通常要すると認められること。
    
 この場合、密葬の費用や、墓石、仏壇等の費用、院号を受けるための費用など、明らかに遺族の負担すべきものは、上記の「社葬費用が会社の必要経費になる条件」の(2)に該当しませんので、これらの費用を会社が負担した場合には、弔慰金等として会社の必要経費(損金)に計上されるものなのか、あるいは、遺族に対する贈与とされるものなのかが問題となります。
 なお、社葬時に会葬者が持参した香典等を遺族の収入(非課税)として、会社の収入としない場合でも課税上、問題はありません。



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